オラクル/グーグル/Javaの嵐についてJames Goslingが語る

Javaの発明者James Gosling氏がJavaをめぐるOracleの訴訟によって吹き荒れている嵐についてコメントする。

http://nighthacks.com/roller/jag/entry/quite_the_firestorm

Sunと特許

初期のSun(weという主語を使っている)においてはあまり特許に関心がなかった。特許という考え方自体には良いものがあったが、(それを管理する)システムはこの時点ではおかしなものになっていた。なのでSunは最初はあまり特許を取得しようとしなかった。でもIBMから「RISC特許」で訴えられた。その内容は「簡略化すれば速くなる」というものだった。あまりにも明かで特許の対象外となるべきアイデアだったが、訴えられ負けた。その賠償金は巨大だった。倒産しそうになった。だから、あまり特許は好きではなかったが防衛のために近代的な企業には必要なものだ(と認識した)。これがIT業界でひり広げられている「ゲーム」だ。 誰が一番おかしなパテントを取れるかという非公式コンテストまであった。私のは全然おかしなものではなかった。

誰の自由?

… 自由というのは面白いコンセプトだ。それは観点によって変る: ある人の自由がもう一人の自由を制約することもある。我々(Sun)が一番重要としていた自由はデベロッパーがアプリケーションをどんなOSやハードでも走らせることのできる自由だった。逆にプラットフォームの提供者は自分たちのプラットフォームを最もスティッキーな(粘着性のある)ものにする自由を求めた。マイクロソフトはこの粘着性の代表者だった。(Javaの)互換性を保証する契約をしたにもかかわらず、それを破りwindow上のJavaアプリケーションがそこ以外では走らないようにした。なので訴えて買った。私達(Sun)はサーバとデスクトップでのinteroperability(相互運用性)を守るのに注意をはらった。ちなみにこの相互運用性がアップルがJavaが嫌いな理由だ。OS XのアプリケーションがLinuxやWindowでうごくのが気にくわない。
「アップルはあなたの技術的な特色を『同化』したいのだ」 @yojik_さん訳http://twitter.com/yojik_/status/21370600860
スタートレックからの引用:http://www.imdb.com/title/tt0117731/quotes?qt0455855

モバイルにおいてグーグルはOSを端末メーカーに対してfreeにしたかった。これはinteroperabilityを弱めるものだった。interoperabilityを優先してきたSunとしては反対した。結果としてAndroidは私達が恐れていた結果になってしまた: Androidバイス間で市場は分裂されデベロッパーの自由が制限されるものになってしまった。

Sunは金が欲しかった。グーグルはアップルの広告路線を脱線させたかった。

Sunとグーグルの間で金の問題は当然あった。(Javaに対して)の多大なる投資に対しての見返りが欲しかった。グーグルには儲けるビジネスモデルがあったが、それを共有しようとはしなかった。彼等は広告で儲けようとはしていたが、アップルの広告への参入計画を邪魔したかった方が強い。モバイルデバイスが消費者に広まったとき、グーグルの既存の広告チャンネルと収益の要が空洞化される。アップルの行き先は明かで、そうなればグーグルだけでなくアップル以外の全員の未来は暗くなる。

善玉はいない

私のコメントをオラクルの訴訟を肯定するものだと受け止めないで。このドラマには白い帽子を被った善玉はいない。これは特許や理念やプログラミング言語をめぐる争いではない。エゴとカネとパワーのための喧嘩だ。

マイクロソフトが良い子?

サンが訴えてからマイクロソフトは全然改善されていないが、(この喧嘩では)彼等が一番まともなとこに立っている。これは巨大ソフト企業のモラルの低さの現れだ。

結論: Borgモドキたちの世界に住むってのは大変なことだ。

上のスタートレックの引用を参照