Paul Grahamに聞く： Lisp対Python (2010年版)

上記の質問がハッカーニュースに上った： http://news.ycombinator.com/item?id=1803351
さすがHNだけあって、PGはもとよりDaniel WeinrebやPeter Norvigを含む豪華絢爛のキャストで議論が行われた。
長いけどLispやダイナミック言語一般に興味のある方には一読の価値あり。以下、面白いところを数ヶ所掻い摘まむ。

古株のLisper達(例えばPeter Norvig)がPythonにくら替えしているようだけど、現時点でLisp VS Pythonについてどう思います？

確かに最近そういう傾向がある。MITでもSICPが無くなってPythonでロボットを駆るクラスに変ったらしい。

Peter Norvigです。Pythonに行き付いたのはそれがより優れ、受け入れられ、実用的なLispであるからではなく、それがより優れたpseudocodeだからです。

Pythonはある種の小さなプログラムにとても向いていて、私が必要としていた色々なものとインテグレートするためのライブラリがGoogleや{企業内だと思う}とネットにあるということが分った。{norvig}

MITのSICPからPythonへの移行でも同じ理由(ライブラリの豊富さ)が挙げたれていた。

大規模なプロジェクトやコンパイルされたコードによるスピードが必要なプロジェクトではLispの方が有利だと未だに信じている。しかし、主なる目的が意志疎通でありプログラミング自体ではない場合(大くの学生など)ではPythonの方が優位に立つと思う。 {norvig}

グーグルその他{の組織}での大規模プログラミングにおいては言語の選択よりも重要な選択事項があると思う。全体的なアーキテクチャ、プログラマチームの構成、rapid developmentとcontinuous improvementを可能にする正しい開発プロセス。これらがあれば、使える言語は数多くある。上記の条件がそろっていなかったら、どんな言語を選択しても駄目だろう。 {norvig}

これは2010年でなくて2050年の質問だな。Clojureのお陰でLispはまた人気が出たようだ。 {PG}

ArcじゃなくてClojureの活躍を認めるところが大人だな。しかし、Clojureの人気も彼の近年のエッセーによる啓蒙活動によるところが少なくないと思う。

Pythonには良いライブラリがあるんだろうが、ちゃんとしたマクロが無い言語でプログラミングするのは窮屈だと思う。{PG}
やはりPGはリスプから鞍替するつもりは無いようだ。