USの特許が完全にイカれている例
木の枝が特許された。ちょっとスクロールすると図が見れる。
http://www.google.com/patents?id=hhYJAAAAEBAJ&printsec=abstract&zoom=4#v=onepage&q&f=false
これは「猫をレーザーペンで運動させる」とか「ブランコを横にゆらす」特許と違って、真面目なもののようだ。
アメリカのOSSコミュニティーがソフトウエア特許を嫌う理由がここにある。本当に何でも特許が取れてしまうので、どんなソフトを書いても誰かの特許を「侵害」している可能性が高い。多くの特許は核兵器のように大企業のサイロに眠っている。大手同士は冷戦の睨み合いかクロスライセンスしているのであまりこの兵器を使うことはない。(オラクル対グーグルのような戦争なら別だが) しかし小さなプレイヤーが邪魔になったらこれで叩く。
これだけでも嫌だが、更に困るのがpatent trollだ。こいつらは「nonーpracticing entites」と呼ばれる。つまり特許を持っているが、それで物を作るつもりの無い保持者のこと。
ようは合法のタカリ屋だ。物作りをしようとする企業を特許侵害で訴えて金を強請り取る。中堅企業は弁護団をかかえていなく、法的防御のコストが払えないので強請りに応じてしまう場合が多い。
特許はアイデアを形にしようとして始めてその効力の対象となる。つまり、物作りして社会のために価値を創ろうとする者がその矛先にある。一方、訴訟だけに特許を使う方には全くリスクがない。本来なら物作りをする者を守る筈なのに本末転倒だ。
特許博士のイナポン氏が言っていたが、USの特許審査官はいかにも威厳がなく、申請する側の弁護士からかなり見劣りするそうな。もうちょっとシャキっとしてほしい。と言っても特許局の骨抜き化は意識的かつ長期的なポリシーだからあまり向上の期待は持てない。
アメリカはスタートアップの天国と見られがちだが良いことばかりではない。patent trollないなく誰でも健康保険が入手できる日本にもアドバンテージはあると思う。