無SEOサイトに見るページランクの変遷

このシグモイド曲線を見てほしい。

趣味で営んでいるサイトにグーグルから来るユーザ数(オーガニックトラフィック)の変遷だ。一年かけて5%から26%に上昇している。ユーザが増えているのはページランクが上昇しているからだ。

このサイトはこの期間全く放棄状態だった。更新もしていなければSEO活動もしていない。ただ、内容が有益なものらしくユーザの方々からリンクは頂いている。このような被リンクがページランクに大きく貢献するのだが、これらの殆どは一年以上前にはられたものが多い。

つまり、このサイトからのグーグルへのシグナルは一年以上凍っていることなる。グーグルは一年をかけシグナルを見ながら妥当なところまでページランクを上げ、今のところに落ち着いたという感じだ。

「これぐらいの批評のサイトなら月2万ぐらいのユーザを送ってもいいだろう」と判断する素材があってもグーグルはそれを実践するのに一年かけている。瞬時でことが動くネットにおいては氷河のようなペースだ。

何故こんなに時間をかけるか? スパム対策が考えられる。鼬ごっこにおいては定義上、新しいものが多い。グーグルに発見されリンクファームを潰されてはまた新しいのを立ち上げる。スパマーは常に新規サイトで活動を展開することになる。つまり、古いシグナルほどグーグルにとっては信頼がおける。

被リンクがスパムによるものでないということが、時間の経過により証明され、それによりページランク自体がジワジワと上ってきたとイメージしている。

それにしてもきれいなシグモイド曲線だ。これを作り出すグーグルのアルゴリズムはどういうものかを想像するだけでも楽しい。長期放置により制御因子が固定できたお陰でこのような「実験」が可能になったのが皮肉だ。

教訓を見出すとしたら: オーガニックSEOには一夜にしてならず。SEOガイドラインにそったサイト作り、ユーザにとって有意義なコンテンツを持ち、あとはじっと我慢する。そいうすればグーグルは人を送ってくる、ということだろう。