Steve Yegge復活!

去年突然ブログを辞めると言ってオンラインから消えてしまったSteve Yeggeがカンバック宣言:
http://steve-yegge.blogspot.com/2010/07/blogger-finger.html

ちょうど「Yeggeいつになったら書くのかな~」「もう戻ってこないのかな?」などと思っていた矢先だ。


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Steve Yeggeはグーグルに勤めるブロガー。ブロガーと言ってもちょっと変っていて、長いもの書くので有名だ。履歴みてわかるように、頻度も低い。

トピックは主にプログラミング言語についてが多い: javascript,lisp,emacsなど。Javaで50万ラインのゲームシステムを一人で書いた後スタティクな言語を諦めダイナムック言語に走る。lispなどの言語を研究した後、サーバサイドでもjavascriptが一般的になると宣言して、現在のサーバ側のjavascriptの成功を見事に予測した。

その他にも印象に残った名言がある:
スタティック言語のパフォーマンスが良いのは歴史的アクシデントだとスタンフォード大学の講義で言っていた。以下記憶からの要約。80ー90年代にアカデミアで言語ランタイムの最適化が流行ったとき、コンパイルタイムに情報が多いスタティック言語が研究対象に選ばれがちだった。アカデミアもファッションを追う大衆と同じで、一度あるトピックが流行するとそれ以外が排除されがち。つまり、ダイナミック言語のランタイムの最適化が最近まで行われていなかっただけだ、と言うのだ。同じような努力をすれば、ダイナミック言語だって似たようなパフォーマンスを出すだろうと言った。その予想はV8やtracemonkeyなどのJavaScriptJIT実装により現実化しつつある。

高速ダイナミック言語の研究と言えばStalin Schemeがある。http://community.schemewiki.org/?Stalin パフォーマンスと「表現力」(ラインカウントの少なさ)を比較したベンチマークでは最速で最も表現力のある言語にランクされていたのを見たことがある。

Steve Yeggeの予想はサーバ側JavaScriptとダイナミック言語のパフォーマンスに関しては的中する方向に動いている。もう一つ面白い予想がある:
名づけて「Emacs対ブラウザの世紀の対決」
http://steve-yegge.blogspot.com/2008/04/xemacs-is-dead-long-live-xemacs.html
Emacsがブラウザの機能をどんどん取り込まないと、ブラウザがEmacsの領域に入ってくると言うのだ。JavaScriptの発展、HTML5やブラウザのローカル資源のアクセスによりブラウザはnativeアプリプラットフォームになりつつある。ブラウザ内のもろもろのエディタやターミナル機能の出現を見ると、この予測も当るかもしれない。

前置きが長くなってしまった。今回の復活宣言をまとめると:

  • 自分がブログによって世界を変えようとしていると気付いた。疲れてしまった。

「hater」という言葉を何回か出しているが、酷いコメントなどが嫌になったのかな。

  • 仕事については「死んでgoogle色の棺桶に入るまでここにいる」

というのは誇張だろうけど、今の職場でおちついているということだろう。

  • ギターの弾きすぎで右手を痛めて手術をした!

やっとキーボードにさわれるようになったようだ。

  • これからは短めのポストを書く

これからこのブログでスティーブのエッセイを紹介していきたいので、楽しみてしていてね。


最後に、 Welcome back Steve.