オラクル/google/java訴訟: Mono開発者 Miguel de Icaza の見解
AndroidがJavaの特許と著作権を侵害しているとしてオラクルがgoogleを訴えた。これに関して技術メディアやpundit達がコメントしている。javaの発明者James Gosling(だからオラクル辞めた?)や、フリーソフトウエア運動の創始者RMS(ほらみろ)もコメントしている。
しかし、de Icazaの見解が一番深く面白い。
http://tirania.org/blog/archive/2010/Aug-13.html
de Icazaと言えばマイクロソフトの.Netのオープンソース版「Mono」(http://ja.wikipedia.org/wiki/Mono_(ソフトウェア))の開発者だ。
そもそも.Net/C#はマイクロソフトのジャバとして始まりったものだ。そして、de Icazaはマイクロソフトの意図を不信を抱くフリーソフトウエア開発者の批判に答え続けてきた。つまり、JavaかJavaモドキ(Anderoidしかり)フレームワークに関する大企業の戦略に関しては権威と言える。そして、この分野についてこれだけの知識を持っていながら、自由に喋れる数少い一人だろう。(この分野を熟知している人達は殆ど眈みあっている企業に雇用されているだろうから)
以下い訳。い=いい加減の「い」かもしれない。噂に尻尾がついて…ってこはないけど、責任は持てないんで、関心のある人は原文を読んでください。
Java=金にならな資産
SunはJavaという数多くのエンタープライズ企業が儲ける基礎技術を持ちながらも自分は食いはぐれるというい情けない状況にいた。その金銭的見返りといえば、マイクロソフトから$1.6bnのsettlementを取たったことぐらいだ。
ラリーはそれを聞いて、「それだけ?」 -clemensvのツイート
Jonathan Schwartzの知っていたこと
Sunの元CEO Jonathan Schwartzが現役のときに言えないことがあった…
Java Micro EditionライセンスでGoogleが訣別
噂によるとSunはgoogleとOEMメーカの間に立ちたかったが、googleは完全にオー
プンなプラットフォームを作りたかった。これでおりあいがつかず、Googleは
独自の実装「Dalvik」へと走った。
この交渉の過程でgoogleは独自の実装をほのめかし、Sunは特許をひきあいに出したと思われる。だからgoogleはわざとDalvikをJavaと互換性のないVMインストラクションにしたのではないだろうか。そして、Javaでないことを強調している。JavaVMコードをDalvikコードにトランスレートすることにより、この交渉時での特許の問題はクリアできたと考えられる。
Sunはこれをツマラないと思っただろう。OEMとのライセンス交渉ができなくなった上、Googleのランタイムがモバイルでのdefacto実装になる可能性が高くなったのだから。組込み市場全体でJava Micro EditionでなくDalvikが主流になるだろう。
マケとくよ! Anderoidキラー付きたよ!!
それから一年後(2008年)、Sunの評価学は8割減。買い手を探し始めた。この時点で、GPLを選択したのと同じような戦略的な思考が「訴訟のポテンシャル」にも注がれた筈だ。iPhoneが一世をふうびし、Googleもこれに対する製品を準備していた。この状況をSunの買い手に売り文句として訴えていたに違いない。
つまり、Sunの買い手にはGoogleのモバイル戦略を脱線させる強兵器を手にすることになる。Anderoidを潰したかったら、あるはGoogleをユスリたかったらSunを買って、っていうことだ。
Gosling氏によると…
オラクルはgoogleを訴えた。これには驚かない。オラクルがSunを買収するときの交渉で、Googleのと特許関係はどうなっているのかを尋問された。オラクルの弁護士の目が輝くのが見えた。SunのDNAには「特許訴訟」入っていなかった、しかし(オラクルに買収されては)… これには巻き込まれたくない。幸い俺の特許は一つしか訴訟に入っていない…
つまりJonathan(元Sun CEO)は「グーグルを訴えられるよ!」という看板でSunを売りに出したことになる。これがJonathanが言えなかったことだ。
次は我が身
Sunは以前、買収した会社(Wang)の特許でKodakからユスられたことがある。この体験をブログで語ったJonathanだが、数年後には同じようなことをする(訴訟前提で会社を売る)ハメになった。
Javaの特許ライセンスは互換実装に限る
Javaはフルに互換性のある実装に限って特許をライセンスしている。これが今回の訴訟に中枢になっているようだ。
GPLバージョンのOpenSDKを使うときのみ特許が免除される。第三者からライセンスの場合は特許免除はあてはまらない、と言っている。
Mono開発者としての願望
de Icazaはマイクロソフトのライセンスの方がSunのものより自由度が高いと言っている。機能的拡張が許されているらしい。
グーグルはオラクルとさっさと訴訟解決した上、より優れたデザインで楽しく使えてもっとオープンな.NETプラットフォームに移行すべきた。(本当に薦めているわけななくて、あくまでもde Icazaの夢を言っているだけだと思う)
Miguel de Icazaの見解をテングがまとめると:
テングの見解
いくらライセンスがオープンなものであれ、大企業が所有しているプラットフォームには開発者としては時間を投資しないのが無難。特に特許が絡んでいる場合は。
やっぱりRMSは正しかった:
http://www.gnu.org/philosophy/java-trap.html
彼は特定のフリーな実装とライブラリだけに依存していればいいと言っている。しかし、テングとしてはそういう匂いがする方面に近づきたくもない。だからMSやJavaなどを直感的に避けてきた。これも正解のようだ。