ASFがJCPから脱退する可能性高くなった

http://www.theregister.co.uk/2010/12/07/apache_google_vote_no_oracle_roadmap/
この記事によると: JCP(Java Community Process)でのJava 7/8のロードマップに対する投票が終了し、オラクルの案が認められた。 反対したのはASFとGoogle。 反対は技術的な理由でなく、「field-of-use」のライセンス制限に抗議するためとしている。
ラクルは説明もなくHarmonyに対してTCK(Java Test patibility Kit)ライセンスの提供を拒んでいる。 これなしにはASFは独自のJava SEの実装であるHarmonyの正式基準に対する互換性を検証できない。 ASFは十年来のJCPメンバーであり、これに対してTCKライセンスの提供を拒むオラクルの行動はJCPの原則に背くものだ、と批判している。
ASFはJava実装者としての権利がJCP委員会から認められなければ、JCPから脱退す可能性もあると以前から言っている。もし、ASFがJCPから抜けたらオラクルとJCPJavaの開発する者を代表しているという主張をするのが難しくなる。そうなるとJavaのfragmentationが危惧される。

テング思うに: ロードマップへの投票がTCKライセンス問題の駆け引きに代入された形になった。 これに負けたASFは、アップルとIBMも丸めこんだオラクルに対してJCPで戦っても勝目がないと判断して辞めてしまう可能性が高くなったと見ていいのではないだろうか。 元記事が言うように、オープンソース界を代表しているASFが抜けたらJCP大義名分は無くなるも同然だ。JCPラクルの戦略を承認するだけのかかしのような存在になる。
サーバでは押しも押される地位を築いたJavaだが、このような状況下でそれが続くだろうか? 今はちょっとした言語ルネッサンスだ。 LLVMのようなツールが出現し言語開発のバリアが縮小し日々新しい言語がデビューしている。そのうちJavaにとって替るものが出るかもしれない。(Goとかその候補になるのかな?) エンタープライズが使える本当にフリーの言語が出てきたら、企業の戦略のダシにされる言語は危なくて使えない! と思っているハッカーや企業は貢献を惜しまないだろう。
Javaは言語がGPLでリリースされたにもかかわらず、互換性テストのライセンスという落とし穴でやられてしまった。 OSSコミュティーも企業ユーザも次の言語の選択の際には言語が本当にフリーなのかを真剣に考えた方がよさそうだ。 待てよ、これはRMSが予告していた事態だ。 RMSの言うことをちゃんと聞た方がいいってことか。