iPhone4アンテナ問題対ジョブス： まとめ
予約したiPhone4を買うために何時間もの行列。
http://www.economist.com/blogs/babbage/2010/06/iphone4
予約しておいて何でこんなに待たなきゃいけないの？ という問いに対して、アップルは「ペットボトル水をあげるから、黙って待ってなさい」。
ユーザ間で受信問題が広がる
一部の熱狂的な消費者はこの世の終りを見たような絶望感に襲われる。ユーザとのメール問答で問題を否定し続けたJobsは「リラックスしろよ。家族と楽しい時間でも過しな。これはただの電話なんだからさ。そんな気をもむ価値のあることじゃない」と。
"Retire, relax, enjoy your family. It is just a phone. Not worth it."
インタビューに応じたアンテナ専門家： 確かに問題はある。でももう自分のiPhone4はオーダーした。
http://www.antennasys.com/antennasys-blog/2010/6/24/apple-iphone-4-antennas.html
この専門家の説明によると、FCC(連邦通信委員会)やキャリアの規格に準じるためにはアンテナは頭からできるだけ遠いところにしなければいけなくなるらしい。だから、指でふさがれがちな下にアンテナをつけざるおえなかったようだ。
素晴しいiPhone4の発表ががこんな「些細な問題」でケチつけられて、御機嫌斜めのjobs
http://d.hatena.ne.jp/karasuyamatengu/20100702/1278090643
シグナルの強弱を示すインディケータの表示が間違っていたと、苦しい弁解。30日間返品可能だよ、と言いながらも「返品できるもんならしてみろ」との態度が伺われる。
Consumer Report誌が「おすすめできない」レーティングを。これでJobsも問題を認識。
http://d.hatena.ne.jp/karasuyamatengu/20100712/1278954965
それまで、シグナルの問題だ、表示による錯覚だと逃げまわっていたJobsだが、このパンチは効いたようだ。 アンテナ問題記者会見でも「Consumer Reportが無料で解決策を提供すべきと言っていたから、ほらあげる」と同誌の名を出していた。
37signalsがCS誌の偉さを語る： http://37signals.com/svn/posts/2458-how-consumer-reports-got-apples-attention-when-no-one-else-could
無料でケースをあげるからもう黙っていて
http://www.engadget.com/2010/07/16/apple-to-give-away-free-bumpers-to-iphone-4-users/
アップルがSF映画に出てくるようなアンテナ実験室を持っていることが発覚
http://www.apple.com/antenna/testing-lab.html
こんな凄い施設を持っているのに、受信問題が発生することにテングが驚きを隠せない。やはり自分のアンテナエンジニアの警告を無視してまで、エレガントなデザインを追及したJobsのワンマン社長ぶりが問題のようだ。しかし、このような確心と度胸がなけれこれほどの物ができないのも事実。
アンテナ問題記者会見でJobsが謝罪、、
、、なんかするわけない。
"We're not perfect. Phones are not perfect. We all know that. But we want to make our users happy."
「我々は完璧ではない。(携帯)電話は完璧ではない。皆な知っているとうり。でも、ユーザを喜ばせたい」
天狗が解釈しよう：
「我々は完璧ではない」
アップルは完璧だ。アップルの製品も完璧だ。ことアンテナ問題さえなけければ、、
非を認めたというよりは自分を讃えている。
「電話は完璧ではない」
iPhone4のアンテナ問題でガタガタ言うならandroidはどうなんだよ!？あれは問題ないのか？ iPhone4の問題ばかり指摘していないで、他のも批判しろ。iPhoneは他社の製品よりよっぽど優れているだろう。何でアップルばかり叩くんだ？
「でも、ユーザを喜ばせたい」
謝るつもりは全然ないね。これは本当に不満なら皆な返品しているだろう？何人返品した？ ほら。この素晴しいiPhoneを持ててユーザが幸せなんだよ。でも一部でアップルに妬いている連中がガタガタ言っている。そいつらを黙らせるために無料でケースをやる。どうだ？ 満足したか？
ジョブスは携帯機種一般を引き込むことによって、議論の場をiPhoneのアンテナ問題から他社機種と比較した完成度の高さにすり替えた。
アメリカの漫画Dilbertの作者はこの技を「high ground maneuver」と令名。
http://www.dilbert.com/blog/entry/high_ground_maneuver/
自分の問題が指摘されたときに、その背景を広げて「これぐらいのことでガタガタ言うやつは尻の穴が小さい」とする手法だ。
iPhone4がリードしてアップル社は過去最高の売上
実はPaul Grahamは2004年にアップルがiPhoneでマイクロソフトを抜くことを予測していた：
http://d.hatena.ne.jp/karasuyamatengu/20100716/1279236305
アンテナ問題対Steve Jobs。最後に笑ったのはJobsのようだ。
最後に。「iPhon4」って間違えて検索する人が結構いるんだよね。こうやって、ちょっと不自然な形でもキーワードを入れておくと、けっこうトラフィックが来る。綴り間違いをターゲットするのはSEOの基礎なり。
