JWZがGoogle+のpseudonymityポリシーとEFFのNymwars勝利宣言を痛烈に批判

http://www.jwz.org/blog/2011/10/eff-declares-premature-victory-in-nymwars/

ここで問題となっている「pseudonymity」というのはG+などのソーシャルネットワークにおけるハンドル名利用を意味する。

バックグラウンド

「EFFは早まったNymwars勝利宣言をした」

JWZのポストのタイトルだ。「恥じるべきほどお人好しな宣言」とも言っている。彼はNymwarsにおける勝利はツイッターのようにハンドル名の利用を完全に認める以外ないとしている。pseudonymityを「サポート」するというのはこういうことだ:
1 本名を使っていないと疑うアカウントを削除することを止める
2 ステップ2は無い

グーグルが考えているpseudonymityの「サポート」は上記のものではありえない。なぜなら、abuseチームに新ポリシーを通告すれば済むはなしだから。Gundotraの発表によると数ヶ月かけてこの機能を実装するらしい。そんな大掛かりなプロジェクだということはこのpseudonymity「サポート」はもっと複雑なものに違いない。

Google+におけるpseudonymityの「サポート」は本名の登録を強制し、それにリンクされたハンドル名の利用を許可するものとJWZは憶測している。

そして、政府や企業には喜んで本名ぐるみのデータを提供するのだろう。最後にグーグルに対する感情をこのブログで利用できない言葉で表現している。

コメントにも有益な情報がある

  • (西洋人にとって)変った本名のユーザがアカウント停止をくらった例
  • 政府のIDをG+求められた例
  • 逆に本名以外の使用利用を強制された例
  • 各種データベースを照合して名前をチェックしている疑いがあること

などがあがっている。

何故グーグルはここまで、本名にこだわるのか。収集した個人情報を実名とリンクするとさらに高値で売れるというのが考えられる。あと、政府の要望に答えることにより大きなカシを作ることができる。技術以外の各方面から攻撃を受けているグーグルは政府の機嫌を伺うことの有益さを認識したのかもしれない。

それにしてもこれだけの批判に絶えながら、矛盾なポリシーを押し進めるからにはかなりのメリットがあるのだろう。この辺をもっと知りたいが、確かなのは、本名登録によって恩恵をあずかるのはグーグルとそのパートナーであってユーザではないということだ。グーグルが掲げる「do no evil」が終るはこの局面かもしれない。

オープンソースwikipediaのように企業・政府がコントロールできないソーシャルネットワークの必要性が明かになってきた。しかし、DIASPORA*もあまりぱっとしない。

JWZはハッカーライフを引退してからもう10年以上になるが、ここでオンライン・アイデンティティの自由とプライバシーの推進リーダーとなり、オープンでプライバシーを尊重するソーシャルネットワークの構築をリードしてくれたら皆ついてくると思う。