何故ハイパーカードは死ななければならなかったのか

Lisperがハイパーカードの死因を分析する。その本題に入る前に簡単な電卓を作るチュートリアルを見せてくれる。これだけでも貴重な資料だ。スクリーンショットは英語が面倒な人でも見る価値あり。

http://www.loper-os.org/?p=568

フォームデザイナーで画面を描き、コードはHyperTalkという言語で書く:

put the value of the last word of it after card field "Icd"

英語じゃないか。昔HyperCardで遊んだ記憶があるが、このような自然な言葉で指示できるという記憶がない。それだけ昔のことだったのか、それともまだ英語を覚える前だから単にコードと認識していたのか。

こんなのxyzでもできるよと言う人はこれが25年近く前にリリースされたことを知って欲しい。

何故ジョブスはHyperCardを殺したのか

ジョブス亡き今、誰もこの答えを知らないが、Stanislav氏はこう憶測する:

理由はHyperCardが全く違った世界のこだまだからだ。それはコンピュータを「使うこと」と「プログラムすること」の境界線が衰弱していて完全に消されようとしている世界だ。ここではパーソナルコンピュータは「mind-amplifier」であり単なる高価なビデオ電話ではない。(皮肉なことにジョブスはマックを語るときにこの言葉mind-amplifierをよく使っていた)

多分知らなと思うけど、ジョブスはHyperCardよりもさらに素晴しいものを殺していた。SK8というNetwton向けのLisp Machineを殺したのはジョブスに違いない。(元ブログ著者はLISPマシンを実装中でこれに対する強い思い入れがある) これ以外にどのようなものが捨てられたかわ我々は知ることもできない。

ジョブスには林檎の木から余分な枝を切り取る完璧に理論的な理由があった。彼は会社を初期のビジョンに戻したかった: パーソナルコンピュータは消費者向けアプライアンスであり、伝統的なベンダーと消費者の関係を守るブラックボックスである。

ジョブスのビジョンをベンダーと消費者の関係で片付けるのはちょっと単純だ。正確にはこう言うべきだろう:

消費者のために完璧なものを創る上で、誰でも製品をじれるようにするHyperCardのような開発ツールは邪魔だとジョブスは判断した

ジョブスのビジョンと製品に感服しながらも、その閉じられたiOSというエコシステムの浸透に脅威を感じる。このようなハッカー達の複雑な心境を的確に表しているポストだ。

元ブログの著者のStanislavはLISP OSを一人(?)で永遠に作り続ける偏屈ハッカーだ。強い意見をもっていて、他のポストも結構面白い。純粋なLispでない!という理由からClojureをdisるポストなんかもあったと思う。